事業性融資における金融機関の審査|個人事業主の財務分析について

 
事業性融資における金融機関の審査|個人事業主の財務分析について

 

事業性融資を受けるには、まず金融機関に事業計画と財務状況を提出する必要があります。
 
事業性融資を成功させるためには、いくつかのポイントを押さえておく必要があります。今回は財務の面で重要な指標となるもの2つ取り上げて解説します。
 


事業性融資とは?

 

 事業性融資とは、企業活動に必要な資金を借りるための融資です。

 

個人事業主も事業性融資を受けることができますが、金融機関の審査は厳しく、審査に通るためには、個人事業主の財務分析が重要となります。

 

個人事業主の財務分析とは?

 

個人事業主の財務分析とは、個人事業主の資産、負債、収入、支出を分析することです。金融機関は、個人事業主の財務分析を基に、個人事業主の返済能力を判断します。

 

金融機関が個人事業主の財務分析で特に重視するポイントは、以下のとおりです。

  • 資産状況:個人事業主がどれだけの資産を持っているか。
  • 負債状況:個人事業主がどれだけの借入金があるか。
  • 収入状況:個人事業主がどれだけの収入があるか。
  • 支出状況:個人事業主がどれだけの支出があるか。

 

安全性の見方

長期安定性を見る代表的な比率は「自己資本比率」です。

 自己資本比率とは、企業の自己資本(純資産)が総資産に占める割合を示す指標です。

 

個人事業主の場合は、自己資本に近いのは元入金で、利益が出れば出るほど増加しますが、反対に利益が減ると元入金も減少します。

 

自己資本比率が高い企業は、借入金に依存していないため、経営が不振になった場合でも、資金繰りに困りにくいというメリットがあります。

 計算式は以下のとおりです。

 

自己資本比率=自己資本(元入金)÷総資本×100

 

自己資本をよくするには、利益を増やすか個人事業主の資本を事業に投入するかの検討をします。

そして、総資本から遊休資産や低稼働資産を減らし、スリム化することです。

 

さらに事業融資では「固定比率」も重要な指標となります。固定比率の計算式は次のとおりです。

 

固定比率=固定資産÷自己資本(元入金)×100


固定比率をよくするには数字が低いことです。100%より低いことが理想です。

 

例えば固定比率150%なら、固定資産が元入金の1.5倍あるというこになります。


固定資産に比べて元入金(自己資本)が過少、設備等の固定資産が過大となるので、これを改善することが審査では重要です。

 

 成長性の見方

 

融資審査における 財務面の成長性は、「売上高増加率」が見られます。

 

売上高増加率 の計算式は次のとおりです。

 

売上高増加率=(当期売上高÷前期売上高ー1) ×100


当期売上高が800万円で前期売上高が1000万であれば、▲20%となる。成長性は低いとみられます。

 

その他「経常利益増加率」を見られます。

売上が伸びていても、経常利益の増加率がマイナスであれば、見せかけの成長とみられて、よい評価にはなりません。

 

経常利益増加率の計算方法は次のとおりです。

 

経常利益増加率=(当期経常利益÷前期経常利益ー1)÷100

 

まとめ


今回は個人事業主が金融機関から融資を受ける際の審査において、見れれる数字を一部紹介しました。

 

ローン審査の内容は、資金調達で現金を借りたい事業主にとって、しっかりと学んでおきたい知識です。

 

金融機関の審査が厳しいため、事前に準備をすることが重要です。事業性融資を検討している方は、早めに金融機関に相談し、審査に必要な書類を準備しておきましょう。
 

 

事業融資審査ではこの他にもいくつかの指標の数字を見られます。それらの解説はあらためて、別ページで紹介します。


また、融資先については主に4つの方法が利用されています。こちらのページを参考にしてみてください。↓

 

参考 ・個人事業主・自営業者が融資を受ける4つの方法